「子ども食堂は“地域的養護”の場。黄色信号のうちに見つけて、手当て、青になる場」と湯浅さん・・・6/17子どもSUNSUNプロジェクト発足。

子どもSUNSUNプロジェクト(サンサンPJ)発足式・総会が6/17にあり100人の参加者がありました。湯浅誠さんの基調講演とともに2017報告・計画、マイ・アクションを考えました。

 基調講演の湯浅誠さんは「子ども食堂を地域のみんなが集える場所」と考えるといいとアドバイス。

 子どもの貧困というと、すぐに頭はアジア・アフリカ・海外…の貧しい子をイメージしてしまう。そうではなくで「お金なくて部活に入れない」「友達とは遊ばない」「鍋で家族団らんって、本当にあるんだ」「大学には行けない」というような、親が子育て困難な家の子どもを地域で育てる機能として「子ども食堂」を考えたらという。これを「地域的養護」と名づけたという。

 地域的養護でやるのは「黄色信号での手当て」。例えば、高齢者バージョンなら「ゴミ屋敷」。住民には見えているが、すでに「赤信号」だ。認知症も発症しているかもしれない。説得して片付けさせてくれるまで莫大な時間と手間がかかる。でもここまで来るには数年、数十年の誰にもかまってもらえない黄信号の時期があったはずだ。

 児童虐待は「赤信号」、みんな気づいているがもう手出しはできないでしょう。でも、子ども食堂ならずっと手前の黄色のうちに発見して、みんなで手当てができる。親とも関係が作れる。親の子育ての応援をする場所=中間地帯。黄色なら住民ができるし、むしろ住民しか発見できない、と言う。

 確かに、サンサンPJの支援の骨組みも階層的だ(図参照)。子ども食堂415か所(対象12,455人)、無料学習支援(対象4600人)、居場所/もう一つの家14か所(208人)と、ピラミッド型をしている。底辺(子ども食堂)は青色と黄色、真ん中は黄色、頂点(居場所)は赤に近い黄色だろう。

 また、社会福祉(社会的養護)と家庭養護の中間に地域的養護を想定すると、「家庭だけでは育たない」「地域で育てる」という皆が昔から分かっていた経験則も包含でき、国の政策にもなりやすい概念だろう。

 湯浅さんは「みんなでやることが重要です。政治・政策的に強者に頼る方法もあるが、何かの拍子にコロッと足元をすくわれる。でも住民が子ども食堂をやり、多くを寄付で集めていたら、政府・行政もお金出さないわけにはいかない。そこで政策がかわる」と、言っていたのが印象的だった。(矢野)