子どもの貧困③ 「貧困の連鎖」が本質。自業自得ではありません。

認定NPO法人 青少年の自立を支える会事務局長 福田雅章


人間関係の貧困(社会的孤立)

 子ども虐待はどんな家庭にも起こり得るとされていますが、とりわけ大きな要因と考えられるのが経済的貧困と人間関係の貧困(社会的孤立)です。社会的孤立とは、親がうまく人と接することができず、職場や親戚、地域からも孤立することであるが、周囲からの支援を求めようとしない傾向があったり、アルコールやギャンブルに依存していたり、精神疾患を抱えていたり、仕事が長続きしない、すぐ暴力をふるうなどの問題があり、周囲が距離をおいてしまうこともあります。


その親世代で〝貧困〟が完結しない。子どもに連鎖

 経済的貧困や社会的孤立はその親世代で完結するのではありません。その連鎖こそが問題の本質です。家庭の基盤が不安定なため、親の病気や失業などがあればあっという間に家庭が崩壊し、子どもがネグレクト状態におかれてしまうこともあります。結果として、子どもの自立に必要な教育を受けさせることができず、子どもが成人しても安定した職業や収入が得にくくなり、貧困の連鎖が起こってしまいます。また、虐待を受けた子どもの多くは成長しても生きづらさを抱えています。彼らが社会生活を営むうえでの困難さは、次なる貧困や虐待を生む要因ともなっています。急速な少子高齢化のなか、社会は次代を担う子ども達の「育ち」に関心が向いてきました。子ども達は超高齢化社会を支える社会の宝として認識されるようになりました。誰一人としてその育ちが阻害されることがあってはならないのです。

 本会が昨年開設した子どもの居場所「月の家」はこうした理念のもと、貧困家庭でネグレクト環境にある子どもに、食事や入浴などより具体的な支援を提供していくものです。そして私たちが大切にしたいのは子どもとの関係性です。子どもの成長のプロセスを見守っていきます。