ハンデを持つ人と支援する人が安心できる生活拠点づくり。 /チャレンジド・コミュニティ

NPO法人チャレンジド・コミュニティの『チャレンジド』とは「神から挑戦を受けるように運命づけられた人」、『コミュニティ』は、「我々が安心して生活できる地域社会」のこと。したがって、『チャレンジド・コミュニティ』とは、障がいや難病などのハンディキャップを持つ人々と彼らを支援する人々が、本当に安心して暮らせる生活拠点という意味にもなる。

①自立、②参加、③協働、をテーマにしている。「NPO法人チャレンジド・コミュニティ」と「有限会社コパン」との協働について整理すると、NPO法人での事業は採算が取れないので、あわせて事業会社を設立。事業会社の利益をNPO法人の活動資金にもしている。

 

今回はチャレンジドの自立就労支援活動を行っているNPO法人チャレンジドコミュニティ・理事長金井さんにインタビューしました。

 

 

障がい者雇用のため法が整備された。しかし・・・

理事長の金井さん
理事長の金井さん

まず、どのような思いから始めたのかをお話しします。

 

①   障がい者雇用促進法(従業員の1.8%は障がい者雇用義務付け、081123日の新聞では全国平均1.59%、到達できないと罰金)
②   障害者自立支援法、一般雇用を促す。ハローワーク 雇用能力開発機構の中に障がい者支援の部署ができた。

企業のCSRの一環として社会的弱者を救う。障がい者雇用をする。子会社を作り100%障がい者雇用で、作業。大きな企業での取り組み。最近、小さい企業で社員教育、地域の受け皿として、取り組み始めている。障害者雇用促進法56人未満対象外。

しかし就労は、ぜんぜん進んでいない。企業にいて人事もやったが、進んでいない。公的な支援、障害支援センター、ハローワーク等の機関はあるが、機能しているとは言い切れないのが現状である。

サラリーマンをずっとやっていたが、いつかは自分でという意識はあった。45歳を過ぎてから、徐々に必要性を感じた。年をとると、経験、人脈、判断力がついてくる。


 

 

新たなビジネスモデルを提案し続けることで、事業を継続する

焼きたて屋 コパン
焼きたて屋 コパン

事業=長く続ける=価値。しかし、継続するには一つの組織ではうまくいかないと思う。提案する新たなビジネスモデルが必要。

例えば、事業会社(株式会社)と
NPOを両方たてる。NPOが事業会社の株主になる。NPOの下に株式会社があって、NPOが新しい政策で事業の展開、就労支援をしてくれ、事業会社は反映しなければならない。

そこでコパンにパン債権を出資している。NPO法人が企業の株主になる。単位株主になり、株主総会は出席し、我々は・・と経営陣に問いかける。我々がお手伝いするので、障害者雇用をしないかと企業へ声を掛けている。正攻法的に企業に発言力を持つ手法です。


 

雇用を促進するためのコツとは?

PC教室事業も
PC教室事業も

また、障がい者の雇用促進には、ワークシェアが必要です。これをしないと、利益の確保や、生産性があげられない。

製造、販売、サービス部門など、多くの仕事があります。車椅子バスケ協会に仕事を依頼します。パンはもてないが、運転できるからです。外注し、人件費・交通費を払い、運送してもらう。

パンを焼く(プロ等の団体)、ラベル・袋詰め(知的障がい)、販売(精神)というように分担するのです。

健常者は1人で、袋詰め、販売、掃除、製造、全部やるが、障がい者はシェアすればできる。1種類の仕事だとできないから、多角化し、全体で
20万として、4つにわければ一人5万円になるが、これは仕方がない。


経済合理性を考え、一定の能力のあるにはそれなりの額、出来ない人にもそれなりの額(プラス障害者年金)を支払うようにしています。もちろん反対な人もいるし、いやな人は参加しないということもあります。

けれど、彼らみんなが社員だと考えています。重要なのは賃金だけではありません。家で何もしていない障がい者が、一日二時間でもいいから、コパンのパートやNPOの正会員として毎日ここに来られる。そこには安心感があるんじゃないかな。


本人のできる特徴を生かして、『それしかできない』適材適所を考える。そのために多角化と分業をしています。

NPOとしてのパン屋?企業としてのパン屋?

Copain Cafe デコボコ
Copain Cafe デコボコ

面白いのは、同じパンでもNPOで理解があって受け入れてくれるところと、事業会社で受入れてくれるところがある。

NPOっていうと、福祉のパン屋と思われることもある。お情け頂戴と思われる。味より、福祉のイメージ。そういうイメージができあがっている。NPOは、行政の受けが良いのが利点のひとつ。

事業会社は、一般企業と競争しておいしければ市場参加可能です。絶対的においしいものである必要があります。ですので、パン製造の経験者を高いけど社員として働いてもらっている。

NPOに理解のある、CSR積極的な企業はNPOを受入れてもらうということもあります。それぞれの利点を活用しつつ、事業運営を行なっています。(文・町田)

団体について



特定非営利活動法人 チャレンジド・コミュニティ 

320-0851宇都宮市鶴田町3343井上ビル

TEL:028-678-5411

FAX:028-678-5411

HPhttp://npocc.org/index.html

とちコミ認証取得ずみ

 

 

コパンカフェデコボコ

(いろいろな方に利用して頂く、語らいの場。 気取った店ではなく、清潔で明るい、居心地の良い店。 地域の方が集う場。 チャレンジドの研修、実習場の場)

チャレンジドITセンター(栃木県初の在宅雇用)

就労移行支援「とっと」

就労継続支援事業所B型「ガンバ」

指定相談支援事業所「いま・ここ」

CECAP福祉用具総合評価センター(Comprehensive Evaluation Center of Assistive ProductsCECAP)(事務局)

関連会社

焼きたて屋コパン




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とちコミ運営委員のコメント


代表の金井さんとは、出会ってから5年以上たちますが、NPOについて会った時から変わらず鋭く厳しい目線で見ておられます。NPOを目的達成の一つの道具ととらえ、既存のNPOの枠を超えて、チャレンジドの就労支援にむけて、時に熱く、時に厳しく、時に温かい金井さんの姿には、いつも学ぶことが多いと感じています。